結論から書きます。この試験に「過去問題集」と呼べる市販書はありません。公式に最も近いのは『例題集』です。ただし、それだけでは量が足りません。ここを整理したうえで、限られた時間をどこに使えば点が伸びるのかをまとめました。無料で解けるサンプル問題も掲載しています。
日本消化器外科学会は、公式テキスト『消化器外科専門医の心得』に準拠した『例題集』を出しています。過去問そのものではありませんが、設問の作り・選択肢の形・出典ページの示し方といった「体裁」を知るうえでは最も確かな資料です。まだ見ていない方は、まずこれに目を通す価値があります。入手方法や最新の取り扱いは学会の案内をご確認ください。
一方で、例題集は収録数が限られます。出題8領域を偏りなく一巡し、弱点を洗い出すには量が足りません。「体裁は例題集で掴み、演習量は別で確保する」という組み立てが現実的です。
参考:日本消化器外科学会「消化器外科専門医の心得準拠『例題集』」(jsgs.or.jp)。試験日程・受験資格・出題範囲などは学会公式でご確認ください。
消化器外科は臓器ごとに取扱い規約と治療ガイドラインがあり、数年おきに改訂されます。研修中に覚えた分類や適応が、現行版では変わっていることが珍しくありません。過去問を探すより、いま何が最新かを揃えるほうが得点に直結します。
当サービスは公式テキスト『消化器外科専門医の心得 2023年度版』(上下巻)を土台に、次の最新版に準拠して作問しています。
| 取扱い規約 | 治療ガイドライン |
|---|---|
| 食道癌 第12版 胃癌 第15版 大腸癌 第9版 原発性肝癌 第7版 胆道癌 第7版 膵癌 第7版増補 |
食道癌 2022 胃癌 第7版(2025) 大腸癌 2024 肝細胞癌 2025 胆道癌 改訂第4版(2025) 膵癌 2025 GIST 2022/鼠径部ヘルニア 2024(JHS) |
得意な臓器だけで点を稼げる設計にはなっていません。当サービスの100問は次の配分です。学習配分の目安としてお使いください(公式の配点表ではなく、テキストの分量と臨床的重要度から当方が設計したものです)。
| 領域 | 問題数 | 内容の例 |
|---|---|---|
| 総論 | 15問 | 周術期管理・栄養・感染対策・縫合と吻合・腹腔鏡の基本 |
| 上部消化管 | 24問 ※無料 | 食道癌・胃癌・GIST・機能性疾患 |
| 下部消化管 | 25問 | 大腸癌・炎症性腸疾患・肛門疾患 |
| 肝胆膵脾 | 25問 | 肝細胞癌・胆道癌・膵癌・脾疾患 |
| 救急・ヘルニア | 11問 | 急性腹症・外傷・鼠径部ヘルニア |
ポイントは、下部消化管と肝胆膵脾がそれぞれ上部消化管と同等以上の分量を持つことです。「上部は得意だから」で走ると、肝胆膵の分類や胆道の解剖で崩れます。総論と救急・ヘルニアも、点が取りやすい割に後回しにされがちです。
当サービスの問題を1問掲載します。上部消化管分野(24問)は登録不要・無料で全問お試しいただけます。
正解:b
正答の理由:定型手術は胃2/3以上切除+D2郭清です。cT2以深、およびcN陽性のcT1にはD2郭清を行います。
誤答のポイント:a:定型は2/3以上切除+D2。c:この条件ではD1。d:No.16郭清は拡大郭清であり定型手術には含まれません。e:cN陽性であればD2。
周辺知識:縮小手術(D1/D1+)と拡大手術の区別を、進行度と併せて整理しておくこと。
出典表記の例:心得 上 第4章 胃・十二指腸/胃癌・治療法選択、印刷p338〜340/胃癌治療ガイドライン第7版(2025)・胃癌取扱い規約第15版
解説は正答の理由・誤答のポイント・周辺知識・参照ガイドラインの4段構成で、根拠となるテキストのページ番号を文字で明記しています。「なんとなくこれが正しい気がする」を「この規約のこの記載だから正しい」に変えるのが狙いです。
消化器外科の予想問題を見る(上部消化管24問は無料) 全100問・5領域/専門医監修済み/お試し1分野 ¥3,000・全分野 ¥22,000(税込)領域別の学習配分や直前期の使い方は消化器外科専門医試験の対策ガイドにまとめています。呼吸器外科を受験される方は呼吸器外科の過去問についてもご覧ください。